こんにちは。今回は、『本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか』(NHK出版新書) を読みました。
1時限目 インドに仏教が生まれるまで
2時限目 釈迦の生涯
3時限目 サンガとは何か
4時限目 釈迦の弟子たち
5時限目 部派仏教から大乗仏教へ
6時限目 いまに生きる釈迦の言葉
タイトルからは、ブッダの内面を主に論じているような印象をうけますが、サンガについてや、お弟子さんについて、仏教の変化など、幅広い内容となっています。
私のような、仏教初心者の方向けだと思います。
幅広い内容となっている分、ブッダの思想を深くまで掘り下げているページ数は限られていたので、興味を持たれた方は、ブッダにフォーカスした本で補強されることをおすすめします。
とはいえ、こちらの本だけでも、ブッダの教えが、現代日本の一般的な仏教とは全く異なるということがしっかり学べます。
kindle unlimited対象にもなっています。
現代人は忘れがち!?「自利」の精神
とても考えさせられたのは、「自利」の精神です。
自利とはまず自分自身をきちんと確立することです。それがまわりまわって他人のためになる。すなわちこれを「利他」といいます。この「自利」「利他」の組み合わせがお釈迦様の仏教の一つの特徴です。すなわち、仏教の慈悲は、単純な「人助けの慈悲」ではなく、「自利+利他の慈悲」なのです。
なんとなく、今の日本では「利他」のほうを心がけている人が多いような気がします。
それ自体はとてもいいことだと思います。
でも、まず「自利」が大事なのだと学びました。
「自利」よりも「他利」を重んじてしまうと、人助けをしても「あなたのほうこそ大丈夫ですか?」という状況になりかねない(苦笑)。。。
まず自分をしっかり確立することが大事なのですね。
ブッダの教えも実践的
そもそも、釈迦の出家は苦しみの末になされました。
仏教というのは最初から人助けを目的とするような余裕のある人のための宗教ではないからです。生きていることが困難なくらいの自分の心の苦しみをどうやって取り除くかということを、自分で考え、自分で方法を見つけ、自分で治療していった釈迦の足跡。それが仏教の出発点なのです。
とても、現実的ですね。
自分の救済者は自分自身である。他の誰が救ってくれようか。自分を正しく制御して初めて、人は得難い救済者を手に入れるのだ」(ダンマパダ160)
原始仏教が、このような教えだったなんて最近まで全く知りませんでした。
知ることができて本当によかったです。
最近はまっている、古代ギリシャで始まったストア哲学の考えとも共通点が多いです。
どちらも超実践的。
いかに生きるか、について考え方が学べる。
時代でいうと、釈迦の時代がざっくりいって紀元前5世紀頃、ストア派が始まったのが紀元前3世紀頃らしいです。
関係があるのかはわかりませんが、紀元前の偉人達の教えを今目にすることができるのは、すばらしいことですね。
まとめ
ブッダの教えが、今の仏教とは大きく異なるということがよくわかります。
原始仏教の全体的なこともわかるので、初心者の方にいい本だと思います。
講義形式となっており、話し言葉なので難しくないですよ^^