こんにちは、akoです。
今回は、 ヘンリー・ソローの『森の生活 ウォールデン 』(岩波文庫) の下巻を読みました。
上巻の感想はこちら↓
主な内容は、森での生活の記録(下巻では、主に湖、動物、冬、春について)と、ソローの思想となっています。
上下巻とも、聖書や古典の引用がたくさんある(そこがこの本の大きな魅力!)というのは変わらないのですが、下巻はとくにソローの考えがストレートに表現されている箇所が多いのが特徴だと思います。
下巻のほうが、より考えさせられました。
この本はもともと、森での生活の記録プラス、「人間の第一目的はなにか」、「人生をどう生きるべきか」といった、根本問題に直面している若者向けに書かれたものなのだそうです。
私は若者ではないですが^^;、いろいろ考えさせられたので、下巻も読んでおいてよかったなとつくづく思いました。
なかでも、特に心に残った言葉を紹介します。
想像力を害さないような、質素で清潔な食事をととのえ、調理することは容易ではない。
だが肉体に養分を与えるなら、想像力に対してもそうすべきであろう。
ソローは、粗衣粗食でいるほうが、いろんな面からみて美しいと考えていたようです。
美味しい食べ物ばかりに夢中になるのではなく、自分の想像力を高めることにも注力しないといけないな、と気付かされました。
それにしても、本の中での、大食漢に対する批判は結構厳しくて、ドキッとします^^;
たった一度のやさしい雨が、草の緑色をいっそう深めてくれる。同様に、よい思想が到来すると、われわれの前途は明るくなる。後略
すがすがしい春の朝には、すべての人間の罪が許される。
この文は「春」の章にあります。
森の春の美しさと同様に、人間も、もう一度無垢になれば、違った見方ができるようになるというようなことが書かれています。
「すがすがしさ」とか、「無垢」という言葉は、自分の生活にはないように思えるので、なんだか考えさせられました。
森の美しさを前にすると、こういう文章が浮かんでくるのかもしれないですね。
まとめ
自然の中で暮らしたいと考えている人には、ぜひ読んでほしい本です。
反対に、森の生活には興味がない人にとっては、自然や動植物についての描写は退屈に感じるかもしれません。
でも、ソローの思想については、こんな考えの人がいたことは知っておいて損はないと思います。
というか、個人的には損どころかとても有益でした!