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『饗宴』プラトン(光文社古典新訳文庫)を読んだ感想。

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kyouen

こんにちは、akoです。

今回は、光文社古典新訳文庫の『饗宴 』プラトン (著), 中澤 務 (翻訳)を読みました。

最近Kindle Unlimitedにあるものを中心に古典を読んでいます。

ギリシャ哲学については、『ソクラテスの弁明』『メノン―徳(アレテー)について』に続いて3冊目です。

ギリシャ哲学とはいいながら、文学作品っぽくもあるので、とても読みやすかったです。

おおまかな内容は、ある人の家で「饗宴」が行われたときの話です。

「饗宴」は当時のスタイルで、いろいろ儀式もあるようなのですが、簡単にいうと知人同士の家での飲み会です。

その際に「エロスの神を順番に賛美していく」というお題が提案され、それぞれがエロスについて語った話をまとめたものが『饗宴』です。

ちなみに、エロスというのは、ギリシャ神話に登場する愛の神のことですが、同時に、人間の性的な愛や欲望を意味する言葉でもあるそうです。

この本は小説っぽくなっているので、ネタバレにならないよう具体的な内容は書かず、感想だけ書きたいと思います。

男女の愛は語られないの?

現代なら、愛といえば、男女の愛とか、親子の愛をまず思い浮かべると思うのですが、この本ではそれらをさしおいて、「少年との愛」ばかり描かれているのが不思議です。

当時の風習として、少年愛(パイデラスティア)と呼ばれる恋愛も一般的だったそうです。

成人男性が、成人前の少年と恋愛関係を結ぶもの。

(対象になる少年とは、あごひげが生え始めるくらいまで、らしい・・・)

それが当時の風習といわれれば、そうですかとしかいえないのですが、にしてもそれをメインに位置づけるのはなんで?と思いました。

当時は特に男性優位の社会だったみたいなので、もしかすると女性との愛も低めにみられてたのかな?と個人的に感じました。

少年愛のほうが格上みたいな感じなのかなぁ。

でも、ギリシャ神話には女神もいますから、考えすぎかもしれないですね。

 

即興でこんなに語れることがすごい

登場人物たちは、前の晩にも宴があり、お酒を飲みまくっていました。

(そのためみんなさらに飲みたい気分ではなく、今回はお酒は飲むかわりに、エロス談議が提案されている。)

なので、みんな二日酔いみたいな状態なはずなのですが、こんなに理論的に話ができることがすごいと思いました。

内容は、個人的にぶっとんでるな(笑)と感じる考えもあったのですが、よくこんなにしっかり語れるものです。

知識人ばかりの集まりだったというのもうなずけます。

 

ソクラテスの話が、やっぱり一番光る

現代の人からみると、ソクラテスの話が一番理解しやすいように思います。

ほかの人の話も面白いのですが、他の人の話があった上でのソクラテスの話、という流れになっていて、トリともいえそうです。

 

まとめ

哲学というより小説っぽいので、とっつきやすい本でした。

でも、「少年愛」色がところどころでてくるので、そこに抵抗感を感じるかもしれません。

『メノン―徳(アレテー)について』にもそういう要素は少しあったので、当時の社会とそういう要素は切り離せないないものなのかもしれないです。

また「少年愛」と同じく「ギリシャ神話の神たち」もよくでてきていました。

先日、無理して(苦笑)、『完訳 ギリシア・ローマ神話 上 (角川文庫)』を読んでおいてよかったと思いました。

 

神様たちについてすこし知っておくと、この『饗宴』もより読みやすくなるかもしれません。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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