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ジョン・スチュアート ミルの自由論 (光文社古典新訳文庫)を読んだ感想。

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onliberty

こんにちは、akoです。

今回読んだのは、ジョン・スチュアート ミルの自由論 (光文社古典新訳文庫)です。

最近、昔の本を読み始めました。

kindle unlimitedにも昔の本があって、前回の「読書について」に続いて2冊目です。

ジョン・スチュアート ミルって名前、聞いたことがある、程度の知識しかありませんでした。^^;

『自由論』という題名を見て、「今の世の中みんな自由だし、読む意味ないかも、でもまぁ一応読んでみよう」という感じで、何の前知識もなく読んでみました。

読んでみたところ、何の知識もない私でもついていけたので、難しくないです。読みやすかった。

内容も全然古臭くなくて(ちょっとだけイギリス紳士がアジアを下に見ているような表現はあるけど)、現代でも考えさせられる内容でした。

 

民主主義での多数派の力

民主主義の社会では、「多数派」が、自分たちの意見を「真理」と見なし、意見の異なる人たちに対して、不寛容になる傾向がある。それは、議会での政治的決定に限った話ではない。「世論の専制」という形で少数派が抑圧され、社会の「画一化」がどんどん進行していく恐れがある。

昔であれば、自由といえば、支配者から身を守ることといったものだったのが、時は流れて現代では、支配者から自由を抑制されていると感じることはあまりないように思います。

しかし、民主主義の現代では、支配者から抑圧されるのではなく、多数派から抑圧されることが危惧される。。。

多数派の中で、ある意見についてお互いに「そうだよね、そうだよね」と確信しあう。そしてそれがそのグループの中での「真理」となっていく。

そして少数派の意見は間違いであるとみなしてしまう。

この本では、人間は間違うこともあるのだから、自分の意見が絶対に正しいとは思わないように、といったことが書かれています。

気をつけないといけないと思いました。

まさに、現代のことをいっているかのようですが、19世紀にも既にこんな状況はあったのですね。

 

画一的な世論で社会が停滞する

画一的な意見を持つ「平均的な人たち」の「世論」が支配する社会では、平均から逸脱した「変わった人」は非難され、活躍の場を与えられにくくなる。その中に、独創的な意見や着想を持つ人たちが含まれているとすれば、進歩の可能性が抑圧され、社会全体が停滞することに繋がる。

民主主義においての多数派の力ともうひとつ、心に残ったのは、「社会が停滞する」という考えです。

今まで、思想の自由や、言論の自由など、自由は尊重されるべきとは思っていました。

でも、みんなが自由に考えた内容が画一的だったらどうなるか?は考えたことがなかったです。

別に「社会が停滞しないように」というわけじゃないですが、本当に自由に考えているか? まわりの意見が正しそうだからそれでいいと思っているだけじゃないのか?ということを気をつけたいと思いました。

独創的な意見を頭ごなしに否定するようなことにも気をつけなければ。

『自由論』はなにげに現代人向けの本かもしれません。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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