概要
こんにちは、akoです。
今回読んだ本は『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則」ケヴィン・ケリー (著) 』です。
1.BECOMING —ビカミング /なっていく 2.COGNIFYING —コグニファイング /認知化していく 3.FLOWING —フローイング /流れていく 4.SCREENING —スクリーニング/画面で読んでいく 5.ACCESSING —アクセシング/接続していく 6.SHARING —シェアリング/共有していく 7.FILTERING —フィルタリング/選別していく 8.REMIXING —リミクシング /リミックスしていく 9.INTERACTING —インタラクティング /相互作用していく 10.TRACKING —トラッキング /追跡していく 11.QUESTIONING —クエスチョニング /質問していく 12.BEGINNING —ビギニング/始まっていく |
「今後30年を形作ることになる12の不可避なテクノロジーの力」について書かれた本です。
何年か後にこんなサービスがくるよ、といったようなものではないです。
今こんな事が起こっていて、その流れは「不可避」だから、その流れの延長として未来はこんなふうになるんじゃないかといった感じで書かれています。
そのため、各章のタイトルはすべて現在進行形になっています。
本音を言うと、はじめに思ったのは、「文章長い、どこが重要かわからない」でした。
12章にわかれていますが、各章の中はただただ文章が続きます。
でも、それでも内容はとても面白かった。
私は専門家ではないので、「今」を知る意味でも十分勉強になりました。
「今起こっていることはそういうことだったのか!」って発見です。
それに対して、本の主旨である「未来」については、「ワクワク」と「なんか怖い」の両方を感じました。
ほとんどが「ワクワク」する内容だったのですが、「トラッキング/追跡していく」の未来は、個人的には何ともこわい未来にうつりました(笑)。
本はどうなっていくのか?
SCREENING —スクリーニング/画面で読んでいく
いまや、私たちはスクリーンの民になっています。
映画、テレビ、コンピューター、VRのゴーグル、タブレットのスクリーンなどがそうです。
近い将来にはすべての表面に高精細のスクリーンがつくだろうと予想されています。
スクリーンには、ツイート、見出し、インスタグラム、くだけた文章が流れていて、他の言葉やイメージへとどんどんリンクされていく。
私たちのこの新しい活動は、読書(リーディング)というよりは、「画面で読む(スクリーニング)」と呼ぶ方が正しいだろうと書かれていました。
私自身、このスクリーニング、日常的にやっていることだし、とても有益だと感じています。
そこで、思うんです。このスクリーニングの流れがすすんでいったとして、本って生き残れるのかな?と。
またあらゆるものが無料で、コピー可能で、簡単にスクリーンから利用できるようになったら、誰が作者にお金を払うのか?
(ちなみにこの本が描く未来では、音楽も映像もネットにつながるものすべてがコピーされ、リミックスされる世の中が描かれています。)
ネットにありとあらゆる情報が存在する世の中になれば、本を買って読むってどういう意味になるんだろうって思いませんか?
今でさえ、ときどき、「この内容はネットで探せばでてきそう。」などと考えて本を購入しないことがあります。
そんな疑問に対して、とても印象に残った箇所があったので、引用しておきます。
本とは実際のところ、読書中に心が赴くバーチャルな場なのだと主張する文学者もいる。それは「読書空間」とでも呼べそうな、想像力の概念的なあり様だ。こうした学者によれば、読書空間に入り込んでいると、頭はスクリーンで読んでいるときとは違う働きをするという。神経学の研究によれば、読むことを学ぶことで、脳の回路が変化する。読書をしている状態では、ビットをかき集めようとせわしなく行き来するのとは違い、人は別の空間に運ばれ、集中して、没入するのだ。
ウエブでは何時間読んでいても、こうした読書空間に行き着くことは決してない。
これが読書のいいところなんだと思いました。
ネットもたくさんいい文章がありますが、とにかく情報が多すぎて、次から次へと興味の対象が変わっていき、気が付くと結構時間が過ぎてしまうことがときどきあります。
その点、本は自分と本だけなので、だれにも邪魔されず、「読書空間」を作ることができる!
こういう静かな時間というか、じっくり考えたり妄想したり(笑)する時間がほしい人は、どれだけスクリーンの世界がおもしろくても、本は捨てないんじゃないかなと思いました。
本を読むことが好きなので、ちょっと安心しました^^
最後まで読んでいただいてありがとうございました。