こんにちは、akoです。
今回は、『エピクテートス―ストア哲学入門』鹿野 治助著 を読みました。
ストア哲学に興味のある方は、ぜひぜひ読んでほしい本です。
エピクテートスを知るにはもちろん、ストア哲学の入門書としてもお勧めです。
ですが、この書籍は古書でないと手に入らないようで、私は図書館を利用しました。
1977年の発行で、価格が280円!
とても古い本です。
古くてもまだ十分に読めるのでいいですが、読めなくなったらどうするの?と心配してしまいます^^;
私の住む市には、この1冊しかないのです(泣)
岩波書店さんが新しく発行してくれることに期待しています。
電子書籍でもいいので!
内容
はしがき
一 奴隷の子と生れて
二 時代を見れば
三 系統をたどる
四 哲学
五 論理学は欠くことができない
六 自然学
(イ)形而上学的存在と宇宙
(ロ)人間、その位置とロゴス
(ハ)運命、自由、摂理
七 倫理学
(イ)徳、幸福、賢者、情念
(ロ)死、自殺
八 宗教
(イ)神
(ロ)解脱
九 国家
(イ)社会性、結婚
(ロ)宇宙国家
一〇 彼の人間形成
一一 後世への影響
一二 東洋思想との対比
一三 むすび
テピクテートスってどんな人?
エピクテートスは、セネカ(前4ー後65)、マルクス・アウレリウス(121ー180)と並ぶ後期ストア派の一人です。
奴隷出身で、足が不自由。
この絵には、杖も描かれています。
エピクテートスはこのような時代において、キケロやセネカ、あるいはマルクス・アウレリウスなどと違って、逆境の最低から立ちあがったのである。しかも、集団的な信仰によってではなく、哲学によってなのである。彼には明察の鋭さと共に、何物にも屈しないような強い意志があった。彼はいわば泥中の蓮華で、その哲学はこの時代に似つかわしい哲学であった。
逆境から、しかも哲学によって立ち上がった人なのですね。
強いです。
このような人をみると、よくいわれるような、悪い環境に染まってそのまま悪の道へといった流れは、何かいい指針とその人の意志さえあれば、断ち切れるのではないかと思ってしまいます。
「意志」の強さって大事。
甘えていてはいけないなと考えさせられます。。。
この本を読めばこんなことがわかる
- エピクテートスのことが当然ながらよくわかる。
- エピクテートス以外のストア派哲学者との関わりがよくわかる。
- ストア哲学の流れがわかる。
- 当時のローマの状況がわかる。
- ストア哲学の3つの要素(論理学・自然学・倫理学)について説明がある上、それぞれの役割がわかる。
- ストア哲学とキリスト教の違い、関係がわかる。
- ローマで、ストア哲学が終わって、キリスト教が広まっていった背景がわかる。
- 道教、禅と似ている点、異なる点がわかる。
- ストア哲学が後世に与えた影響がわかる。
内容濃いです。^^
個人的には、キリスト教との関係の記述がとても勉強になりました。
そうだったのか!という感じです。
その他の項目もとてもわかりやすく、すんなり頭に入ります。
まとめ
この本は、新書サイズなのでそれほど量は多くないのですが、内容はとても充実しています。
ストア哲学入門書として本当に良書だと思います。
かなり古い本ですが、わかりにくいとかいうことも全然なく、逆にとても楽しめました。
なんというか、以前『イスラーム文化−その根柢にあるもの (岩波文庫)』井筒 俊彦著、を読んだときのような、「いい本だったなぁ」という満足感が味わえました^^
入手できるうちに読んでみてください。
エピクテートス―ストア哲学入門 (1977年) (岩波新書)