こんにちは、akoです。
今回は、光文社新書の『1日で学び直す哲学 常識を打ち破る思考力をつける』を読みました。
これまで、哲学の本は数冊読んだ程度で、しかもとても難しかったので、もうちょっと勉強しようとこの本を読んでみました。
(Kindle Unlimitedにも入っています。)
この本も、私にとっては結構難しかったです。^^;
特に近現代のヘーゲル、ハイデッガーあたりは・・・
そもそも、今まで私が読んだ哲学の本は、ソクラテス、プラトン、マルクス・アウレリウス、デカルトだけなので、難しく感じてもしょうがなかったかーという感じです。^^
ですが、この本は、文章が教科書みたいな堅苦しいものではないのでわかりやすく、なんとかついていけました!
本書に登場する人は、大まかに、
ピタゴラス、プラトン、ソクラテス、アリストテレス、デカルト、ベルクソン、バタイユ、カント、ヘーゲル、マルクス、ハイデッガーです。
他にも、コラムだけに登場する人もいます。
それぞれの哲学者が、こんなことを考えていたんだというのが、なんとなくわかるようになっています。
分厚い本ではなく新書で、これだけ理解ができたのはよかったと思いました。
哲学の難しいことはわからないけど、個人的にとても印象に残った章を挙げてみます。
神の子という思考のアクロバット
この、通常の思考ではほとんど理解不能なアクロバットこそ、イエスの死を受け止めた弟子たちの気持ちを昇華したものであり、キリスト教の命なのです。
キリスト教を生み出したのは、イエスではありません。「イエスの死」です。
冤罪ともいえる理不尽な理由で処刑されたソクラテス。
その死に共通点があるとして登場していたのがイエスです。
周りにどう思われていようと、イエスの後継者たちにとっては、イエスの死は到底受け入れがたいものでした。
でも、その到底受け入れがたい死が、キリスト教につながっていった・・・
この説明で、自分の中の謎がひとつ解けたと思いました。
以前聖書を読んだ段階では、私はキリストは預言者である(つまり人間)と理解していました。
でもその後、『キリストにならいて』という本で、キリストが神になっているのを目にして???となったんです。
なぜ神になったんだろう?と思っていました。
今回の本の著者が仰っているのですが、イエスが神なら、人間は畏れ多くも神を裁いて、神を磔にしたということですよね。
とんでもない「思考のアクロバット」と表現されていました。
でもそれが、「弟子たちの気持ちを昇華したもの」であり「キリスト教の命」という考え方を読んで、とても納得しました。
ソクラテスもそうですが、大切な人が冤罪で命を奪われたとき、その周りの人の気持ちは、他人が想像もできないほどつらいと思います。
そのどうしようもない気持ちが、キリストの弟子やプラトンを動かしていったんですね・・・
人間だけが「死ぬ」
ヘーゲルは「人間は死すべきものである」と言ったそうです。
人間だけが、生成・消滅という自然のサイクルの一部を「生」と「死」として意識している。
たしかに、誰もが、自分がいつかは死ぬことを知っているけれど、知ってはいても、直視するのはつらいため、そのことに目をふさいで生きている。
死から逃避して、つまり勉強、娯楽、仕事、無駄話、政治など、「現在」に自分をつなぎとめて、未来にやってくる「死」を忘れさせている。
人間はどうせ死ぬのだから、人生楽しんだもの勝ち!という人もいるし、生きている間に来世のために何かしておこう!という人もいるでしょう。
いずれにしても、「死」を意識することで生き方が決まるのかなと思いました。
何気に、ものすごく大事なことのような。。。
さいごに
多少は哲学のことを知っている人が読む本なのかもしれませんが、たいした知識がない私でもついていけたので、そんなに難解な内容ではないと思います。
新書なのに、哲学がなんとなく理解できました。