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『君主論』 (岩波文庫)を読んだ感想。

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君主論

こんにちは、akoです。

今回は、マキアヴェッリの『君主論』(岩波文庫)を読みました。

実は、君主論や国家論みたいなものにはあまり興味がないのですが、岩波文庫の「創刊90年記念フェア」の「木のしおり」が欲しくて、対象本の中から色々探して、なんとなくで選びました。^^;

私の好きな岩波文庫90

 

『君主論』は全体で26章あり、前半は「君主政体」について、後半は「君主」について書かれています。

はじめて読むジャンルだったので、楽しめるかどうか心配でしたが、内容は意外に面白かったです。

ただ、マキアヴェッリは文章が独特みたいで、はじめの3章は何度も読み返して、解説読んで、を繰り返さないと理解ができませんでした^^;

でも、私の場合は4章目くらいから、ストレスなく読めるようになりました。(フランスやイタリアの地方の歴史については、よくわからないので読み飛ばしましたが・・・)

読んでいて感じたことをお話したいと思います。

 

君主政体について、細かくパターン分けされていてわかりやすい。

そもそも、政体について知識がなかったので、君主政体についての章はとても興味深かったです。

世襲の政体か、新興の政体か。
新興であれば、全面的に新しいのか、増築のようなものなのか。
支配地は君主の支配に慣れているのか、それとも自由だったのか。
自己の軍備で征服したのか、それとも他者の軍備によったのか。

などなどです。

それぞれのパターンに応じて、こうすればよいということが書かれていて、それが正しいのかどうかはよくわからないのですが、わかりやすいです。

ちなみに、「残酷だな」と感じた箇所が結構あります。

残酷なことも含めて、淡々と鋭い洞察力で語ってるといった印象を受けました。

 

モーセへの皮肉がするどい

普通の私人から君主へ成り上がった場合、力量と運命が必要なのだそうですが、とくに力量が抜きん出ていた人物としてモーゼ、キュロスなどが挙げられていました。

そして、モーゼについての説明はこんな感じ。
 
モーゼは神に命ぜられたことをそのまま実行しただけであり、(中略)にもかかわらず、恩寵によって神と言葉を交わすに値するとされただけでも、賞賛されるべきである。
 
かくも偉大な命令者に恵まれたモーゼの場合に比べて、(後略)
 
たしかに、神の言葉というものを使えない一般の(?)君主たちは、相当の力量がないと、人々を先導することはできないのかなと思いました。
 
マキアヴェッリは、「聖職者による君主政体」についても、皮肉的な表現をしています。

これもモーゼの話と同じ感想ですが、宗教と政体が合体すると、普通の政体よりも簡単にうまくいきそうだなと思いました。

 
 

とにかく、君主のために書かれたもの

当たり前なのですが、君主のために書かれた本なので、かなり上から目線で冷酷な内容もあります。

でも、君主はどうあるべきか、について書かれている後半は、一般の人にもためになりそうなことが、いろいろ書いてありました。

とくに政治関係の人などは、使えそう。

君主たる者は、したがって、先に記した五つの資質(慈悲深く、信義を守り、人間的で、誠実で、信心ぶかい)が身に備わっていないことを暴露してしまう言葉は、決して口から出さぬよう、充分に気をつけなければならない。

「暴露」というところが、内面はどうあれバレないようにしろ、といっているようです^^;

 

まとめ

はじめはちょっと読みにくいですが、慣れればだんだん面白くなっていきます。

君主のために書かれた内容ですが、中身は難しくないです。

むしろ人間洞察のような内容ともいえると思います。

フランスやイタリアの地方の例がでてくるので、中世の歴史をさらっと予習してから読むと、もっと楽しめるかもしれません。

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